デンマークの建築、街づくり(2)

デンマークの建築、街づくり(2)

2013年10月1日

コペンハーゲンのベルヴュー地区

ベルヴュー劇場
ベルヴュー劇場
ガソリンスタンド
ガソリンスタンド
ビーチの監視塔
ビーチの監視塔
レストラン ヤコブセン
レストラン ヤコブセン

コペンハーゲンから北へ約10kmほどの東海岸に面した地域。ゲントフテ自治体の依頼でアルネ・ヤコブセンがデザインした。機能主義的建築の代表作といわれ、ベルヴュー劇館、レストラン・ヤコブセン、集合住宅、ビーチ、監視塔、更衣室、サウナ、ガソリン・スタンドなどで構成されている。当時としては抜群におしゃれな夏の高級ビーチリゾートである。昼間はビーチで遊び、夜は劇場やレストランで過ごし、集合住宅で眠るというライフスタイルを実現したかったのだろう。この集合住宅にはヤコブセン自身も住んだ。

 S電のクランペンボー駅Klampenborgを降りると、すぐ東側にベルヴュー劇場Bellevue Teatretがある。夏にレヴュー・ショーを上演するために1937年に建てられたもので、この地域では最も新しい。2002年に全面的に改修が行われ、いまも使用されている。晴天の日には屋根がはずれて、野外劇場の雰囲気が味わえるという。

 その隣にはレストランがあり、ヤコブセンがデザインしたインテリアや家具が楽しめる。昼食時にはデンマークの伝統のニシン主体のオープンサンドが味わえる。夜は本格的なディナー・レストランになっている。オーナーは次々と変わっているので、閉店しているときもあるかもしれない。


その南側が1934年に完成した集合住宅ベラヴィスタBellavista。海に面してコの字型に住宅が配置され、北側と南側の棟からも海が見えるように、各戸が斜めに位置している。白壁はレンガに白い漆喰を塗ったもの。

 劇場の前から横断歩道を東へ渡ると、緑地になり、さらに東へ向かうと海浜地区になる。1932年に完成した海水浴場で、更衣室、サウナ、シャワー、トイレ、桟橋、監視塔、砂浜などからなる。青と白の縞模様に塗られた木製の監視塔は斬新なデザインで、今でも時代の最先端を感じさせる。ファッション雑誌の撮影などによく登場するので、目にしたことがあるかもしれない。配色がヴェニスのゴンドラ漕ぎのシャツに似ているためか、地中海的な雰囲気が感じられる。

 ガソリン・スタンドは、劇場の前に海岸通りを南へ1kmほど下った東側にある。ヤコブセンの設計で、1938年に完成した。白い四角の建物と、給油塔の上に置かれた円盤に近い方の屋根が合理性、清潔感を出している。これが当時のテキサコ石油給油所の標準的なデザインになったという。1930年代、自動車がようやく一般に普及しはじめた時代のガソリンスタンドがそのまま残る例は聞いたことがない。ヤコブセンのデザインだからこそのことだ。

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