ヘルシンキ中央駅 Rautatieasema

ヘルシンキ中央駅 Rautatieasema

2013年9月30日

ヘルシンキの建築

マッチョな男性の彫刻が印象的な正面
マッチョな男性の彫刻が印象的な正面
西側の壁面
西側の壁面

 ヘルシンキ市のほぼ中心に位置する風格が高い建築。1904年の公開コンペで一位に選ばれたエリエリ・サーリネンEliel Saarinen(1873-1950年)の設計で、フィンランドのシンボル的な建築になっています。左右に2人ずつ配した、円球を持つマッチョな巨人像(腕の筋肉がすごい)はかなり大胆で、自由解放を信条とするロマン主義的な味わいがあります。

公的で巨大な建築に関しては、どこでも賛否両論が沸くようです。サーリネンの最初のプランは、大勢の人や列車が行き交う多忙な中央駅というより、教会か城のようだったそうです。それは、この時代の建築の好みが、民族的な色彩を込めたロマン主義的デザインで、駅前に建つアテネウミン美術館のデザインの影響が大きかったからです。ロマン主義的デザインでなければコンペで勝つことができない状況だったのです。批判を受けたサーリネンは、外国の建築を視察したりしながら、かなり修正をしました。工事は、最初に東側の駅前広場の部分が、次に中央部分が完成し、大部分は1914年に完成しましたが、続く3年はロシア軍の病院に、1918年にはロシア鉄道の駅として使用され、ヘルシンキ中央駅として使用されたのは1919年からだそうです。プラットフォームの屋根は最後まで実現しませんでした。いまある天蓋は、1995年のコンペで一位になったエーサ・ピーロネンの設計で、今世紀になって完成したものです。また駅の西側の郵便局との間の部分も実現しておらず、いまもふしぎな空間になっています。

また当初は、スウェーデンのストックホルム中央駅とヨーテボリ中央駅の公開コンペで一位に なったドイツ人建築家に依頼されましたが、この情報が建築家協会に知れて、反対運動が起こり、 鉄道省は公開コンペに変更しました。

 完成後は、フィンランド建築の代表作として高い評価を受けています。事実、何度見ても見飽きないし、日本にもあんな駅があれば楽しいだろうなと思わせてくれます。正面入り口から中に入ると、アンティークな香りが漂う大きなドア、床、階段、手摺り、切符売り場、両替場、レストランなどがあります。その奥には利用客がうごめく通路に沿ってカフェやキオスク、書店などがずらりと並んでいます。通路の奥のドアを開けると、プラットフォームが広がっています。天井が高いレストランの雰囲気は、時代を感じさせてくれて、古い映画の世界に舞いこんだようで嬉しくなります。ぜひここで食事してみて下さい。

ついでですが、フィンランドの郊外電車と地下鉄のデザインと色はいまいちですが、特急列車はかなり乗ってみたい部類に入ります。車輌内に、車内販売用ワゴンのための階段昇降機がある列車なんて、はじめて見ました。

 駅の地下にはキオスクやスーパーマーケット、ファーストフード店、カフェ、雑貨店などが連 なっています。また、ヘルシンキ市交通局のチケット販売所もあります。以前は、アル中患者や パンク風の若者がごろごろしていて、深夜の買い物は不安でしたが、景気が回復したいまは怖いと いう光景はなくなりました。

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