ボルネオにいる野生動物

ボルネオにいる野生動物

2013年9月29日

オランウータン Orang Utan

おっ二匹だ!セメンゴ
おっ二匹だ!セメンゴ

 オランウータンは、マレー語で森の人と呼ばれ、ボルネオ島とスマトラ島に棲んでいる。赤ん坊は瓜実顔で薄茶色の髪が薄くとても可愛いが、大人になるとオスは体長95cm前後まで成長し、毛の色が濃く変わり、顔のほほが大きく張り出してきて恐ろしくなる。
 高等動物は、脳の発達に時間がかかり、すぐには自立できないことは人間を考えれば理解できる。オランウータンの赤ん坊もまったく自立できず、母親の力で成長していく。母親がいなくなれば死なざるをえない。
 オランウータンは群をつくらず、一頭で生きる。母親は、赤ん坊が6歳になると、子を自立させて離れていくといわれる。
 いちぢくやドリアンなどの自然の木の実や若芽、枝を食べる。昼間は森の木の上を餌を求めて、ゆっくりと移動していき、夕刻になるとある程度の高さがある木の上に枝葉を敷き、下から姿が見えにくいようにして眠る。体臭から大蛇などに襲われることを避けるため、いつも新しい場所に寝床をつくる習性がある。青臭い匂いが漂い、地面に果物の種や木の折れ枝などが落ちていたら、そのあたりにいるかもしれない。
 動きはゆっくりだが、力は強いし、加減ということを知らない。セピロークなどでの餌付けでは、かなり人慣れした者もいるので、近づいてきたら逃げたほうがいい。カメラをひったくったり、手で殴りかかってきたりもするので注意が必要。

テングザル Proboscis Monkey

オスのテングザル
オスのテングザル

 テングザルは、この島だけに棲む、希少で絶滅を危惧されている動物。ジャングルの中で群をつくって暮らしている。大きくて力強いオスのボスは、1匹で多くのメスを妻とする。オスは24時間いつでも子づくりできる態勢にあるらしい。ボスの群familyには、子どももたくさんいる。母親から離れたオスはオスだけの群bachelorに入り、いつかメスを持つボスの群から、メスを奪うことができるように成長するまで待つ。メスを奪うことができなければ、一生をオスだけの群の中ですごすという。
 非常にデリケートな神経と体の持ち主で、木の葉を好み、果物を食べると死んでしまうといわれる。また、捕獲されると餌を一切食べず、飢えて死んでしまう。動物園などで飼育することはできず、テングザルの生態についてよくわかっていない。
 テングザルProboscis Monkeyの名前の由来は、大きな鼻である。成長したオスの鼻は口より下まで垂れ下がっている。メスや子どもはそれほどでもない。また、消化機能が弱いため長い腸を包む突き出した腹は、かつてこの島でプランテーションを経営していたオランダ人に似ていたことから、ボルネオではオランダ人サルとも呼ばれている。大人のオスの体長は約75cm、体重20kg前後、尾の長さは約65cm。ホッホーというような独特の鳴き声がある。
 大蛇などに襲われたときにすぐに水に飛び込めるように、川などの水辺で眠り、朝はそのあたりの木の葉を食べ、そのあと葉を求めてジャングルに入り、夕方に水辺にもどってくる。
たいへに臆病なので、まだ人なれしていないサルは、ボートの音で逃げてしまうほど。

カニクイザル Longtail Monkey、Macaque

 30匹くらいの群をつくり、いちぢくなどの木の実を求めて森の中を移動している。体長は50cmほどで、尾も同じくらい長い。近づくとキーキーという鳴き声をたてて警戒する。このサルも臆病ですぐに逃げる。

ブタオザル Pig Tail Monkey

ブタオザルの親子
ブタオザルの親子

 オスの体長65cmほどまで成長するが、尾は15cmほど。木の実を求めて、這ったり、木の上を飛びまわったりしながら森の中を移動している。凶暴なので、近くにきたら逃げたほうがいい。

ゾウ Elephant

ジャングルを移動するアジアゾウ
ジャングルを移動するアジアゾウ

 高さ5m前後、体重5トン前後の小型のアジアゾウ。メスと子どもだけで10~20頭前後の群をつくり、餌を求めて森の中を移動している。オスは群の近くにいることもあるが、多くは1頭だけで移動している。1日に大量の葉や草、木を食べるので、常に移動している。ゾウが去ったあとは、草が食べつくされている。草が成長する時間を考え、同じ場所には4か月周期で訪れるという説もある。歩行速度は1時間に4km前後だが、時速20kmくらいで走ることもできるという。泳ぎも達者で、雨季のキナバタン川を渡ることもできる。移動中は、群が散らないように時々交信のために吼える。人間には聞こえない交信音も出すといわれている。
 ゾウの赤ん坊も、成長するまで時間がかかり、草を消化する機能ができるまで4年の間、母の乳を飲み続ける。母親が死ねば、赤ん坊は死ぬ運命にある。
ボルネオのゾウは、木材運搬のためにタイからスルタンに贈られ、使役に使われなくなったあと野生に放され、増えたといわれる。

ヤギュウ Tembadau(バンテンBanteng)

 野生の水牛。日本の牛より大きな角が特徴。あまり見られないが、タビン自然保護区でよく出会う。

ワニ Crocodile

ワニの子
ワニの子

 多くの川に棲んでいる。ワニは冷血動物で、甲羅干しして、太陽の光で体を温める必要がある。このため、昼間はマングローブの湿地や川の瀬のようなところで眠っている。子どもは川から出た木の根や枝などに乗っていることがある。主に夜に活動するので、夕暮れ近くになると川面に目をだして獲物を探す。魚などを食べるが、木から落ちたサルを食べることもある。

コウモリ Bat

睡眠中のコウモリ
睡眠中のコウモリ

 昼間は家の軒、屋根の中、洞窟、木の祠などに逆さに掴って眠り、夕暮れ時にいっせいに空に飛び出す。哺乳類の中で唯一、空を飛べる。蛾などの小さな虫を食べる。目は小さく、よく見えない。暗闇の中で人には聞こえない超音波の声を発し、はね返ってくる音から,虫を探しだす。一晩に食べる蚊の数は500といわれている。

ウミガメ Sea turtle

 タートル・アイランドにアオウミガメGreen Turtleが卵を産みにくる。夜、暗くなり、安全を確認したあと、ウミガメは砂浜にあがり、潮が満ちても卵がさらわれないほどのところに自分の体が入るほどの穴を掘る。さらに、自分の尻のあたりに縦に深い穴を掘る。そして産卵をはじめる。その数50から100というからすごい。産み終わると、カメは手足をかいて卵の上に砂をかけ、さらに自分がいる穴にも砂をかき入れ、お腹の下にも砂を入れ、少しずつ浮き上がり、向きを海へと変え、満天の星の下を大海原へと消えていく。産卵は30年に一度といわれている。

サイチョウ Hornbill

 羽を広げると2mにもなる世界的に絶滅の危機にある鳥。サイチョウの夫婦は一生相手を変えることなく結ばれている。1羽見つけたら、近くにもう1羽いることが多い。子どもを生むときには、夫婦で木の自然の祠や、キツツキが彫った穴などの巣にする木の穴をさがし、巣を決めたあとで交尾する。そのあとメスが巣の中に入り、口ばしが出る穴を残して、内部から塗りこめてしまう。メスは巣の中で卵を1個産み、80日かけて孵化させる。この間、オスは1日に10回前後も、木の実や昆虫、カニ、魚などの餌をメスに運んでくる。また、まだ大人になっていないオスが、餌運びを手伝うこともある。これはヘルパーと呼ばれている。卵がかえると、母親は巣を出ていく種類と、巣に入ったまま育てる種類がある。親が巣を出る種類では、出たあとの穴を雛が塗り込めて、天敵から身を守る。十分に大きくなると、親鳥たちは雛に餌を与えることを中止し、雛が穴から出るように仕向ける。

ヘビウ Snake Cormorant

 ヘビのように細く長い首を水の中から出し、魚を獲る灰色のウ。

ホタル Firefly

 特定の川で、草木に集まり、まるでクリスマスツリーのように明かりを点滅させてくれる。

ヒル Leech

吸い付きやすい部分を求めて動くヒル
吸い付きやすい部分を求めて動くヒル

 湿度が高いジャングルにいるナメクジに似た吸血虫。直径5mm、長さは3cmほどだが、伸縮する。ジャングルの入り口や、人や動物が通る道の木の葉の裏で獲物を待つ。入り口あたりの葉の裏をみるとたくさん見つかるはず。これを見るとジャングルに入るのが怖くなる。
最初に吸盤が人の体につくが、感じないことが多い。吸盤を支えにして、血管の上などの血を吸いやすい場所をじっくりと探す。この段階では、食われていないので、指でつまんで両手で丸めて捨てればいい。
 狙いを定めたら、ガブリと歯で食いつく。しかし、感じないこともある。吸われはじめたら、無理に引っ張らず、タバコの火やライターの炎、塩などをつける。すると力が抜けるので、そっとはがすと取れる。血はすぐには止まらないので、救急バンソウコウなどで応急手当をし、ロッジに帰ってから、消毒し、カユミ止めを塗る。
手に軍手、足にはヒル避け靴下を履いていれば、ヒルにつかれても、ほとんど食われるまでにはいたらない。

その他

 マレーグマSunbear、サンバーSamber、ルリイロコノハザルRed Leaf Monkey、スマトラサイSumatran Rhinoceros、ムササビFlying Squirrel、スロー・ロリスSlow Loris、ヤマネコLeopard Cat、イノシシBearded Pig、アリクイAnteater、大トカゲMonitor Lizard、野鼠MouseやイタチMustecids、カニCrab、ムツゴロウMud skipper、サギHeron、ツバメSwallow、ワシEagle、猛毒のマングローブ・スネークMangrove Snakeなど、さまざまな動物がいる。イノシシと大トカゲは、自然保護区で出会う。

ページトップに戻る