ノルウェーの味

ノルウェーの味

2013年9月30日

食事と名物料理

特色

 ヴァイキング時代のノルウェーでは、人々は常に飢えと隣合わせに生活していた。だからヴァイキングの妻たちが知恵をしぼったことは食糧の保存法であった。トエールフィスクと呼ばれる干ダラ、スペーケマートという名の塩漬けの羊肉、チーズ類などは、保存の必要がなければ生まれなかった食物であろう。この国の食事には、自然と歴史が育てた味が深く染み込んでいる。

朝食

 ノルウェー人は誰もが平日の朝食を簡単に、そしてすばやくすませようとする。オープン・サンドウィッチsmorrbrodはそんな彼らの朝食に格好のもの。パンにチーズ、パンにハム程度をコーヒーで飲み込み、仕事に繰り出していく。
 中級以上のホテルの朝食は、ノルウェー人家庭とは大違い。起きぬけの客を待つ朝食のテーブルの上には、酢漬けのニシン、サラミ、ハム、ゆで卵、チーズ、牛乳、コーヒー、紅茶、ジュースにパンがずらりと勢揃いしている。好みのものをパンにのせて、オープンサンドイッチにして食べる人が多い。

今日の定食

 ほとんどのレストランやカフェテリアは、昼食時に“今日の定食 Dagensrett”をセットしている。肉や魚料理に茹でたジャガイモ、ポテト・チップスなどが山盛りになって出てくる。ニンジン、レタス、キュウリ、トマトなどのサラダバーを用意している店もある。かなり大量なので、朝食をたくさん食べた人は、ハンバーガーやホットドッグなどの軽いものがおすすめ。
 近年はハンバーガー・ショップもふえてきた。

ノルウェー風夕食

 北国であるから夕食は身体を暖めるスープがおいしい。なかでも【魚のスープ fiskesuppe】は、各地によって素材や作り方が異なり、多彩な味が楽しめる。
 魚料理では、【ゆでたサケ kokt laks】、【マスorretのムニエル】、【ウナギの燻製 rokt al】、【塩ゆでのタラ kokt torsk】に加えて8月~9月には【ザリガニ kreps】も食卓に乗る。はんぺんに似た魚のプディング fiskepuddingも楽しめる。夏には、海辺の屋外テーブルで、アイスランドで獲れた茹で海老にレモン、パン、白ワインとおしゃれに決める人も多い。
 肉料理では羊の肉がもっとも好まれ、アニスをきかせた【キャベツとマトンのシチュー fal i kal】は国民食的存在。【トナカイの肉のステーキ reinsdyr stek】や【雷鳥料理 rype】は珍味だが高価。
 デザートではサワークリームに小麦粉をまぜて煮た【ロンメグロット rommegrot】や、【イチゴ jordbaer】、木イチゴの一種である【クラウドベリー multer】などが名物。チーズでは【ガンメルオスト gammelost】という名の茶色のものがこの国独特。山羊の乳からつくられた【ヤイトオスト geitost】はやや甘味。この他、ダイエット・ブームにのって全世界に広まったパン flatbrodもおいしい。これはライ麦を使ったせんべいのようなパンで、伝統的な食べ物のひとつ。

飲み物

 ノルウェーの水は生で飲んでも安全。瓶入りのミネラルウォーターも売っているが、日本の2倍以上と高価。牛乳 melk、リンゴやオレンジのフルーツ・ジュース fruktsaftもあるが、味は好き好きだ。
 ノルウェーは酒類販売に関する規制が厳しい国のひとつ。許可を得た酒場、ホテル、レストランでなければ飲酒不可能。また、アルコール度4.75%以上の酒は、酒類専売所Vinmonopolet以外では購入できない。アルコール飲料の価格は日本の2倍くらいする。
 酒類販売を規制する理由には、禁欲的なキリスト教の影響や、冬の暗い気候や寒さから精神病になったり、アルコール中毒になる人たちから、誘惑を断つ目的もあるという。
 規制が厳しいにもかかわらず、ノルウェー人は実によくビールを飲む。【ブリッグ brigg】が最も弱くて安い。中位がピルス pils、日本のビール程度のものは最も強い【エクスポート export】で値段も高い。
 少量でガーンと酔っ払いたい人にはアルコール度40%以上の【アーケヴィット akevitt】あるいはdramが適している。これはスウェーデンのアクァヴィットと同じ。冷してビールとともに飲む。日曜と祝日はビールとワイン以外の酒はホテルやレストランでは出さない地域もある。

レストラン

 石油景気で豊かな人たちが多いのか、レストランは多く、それぞれがかなり込んでいる。夏の夜は満員で何軒か廻らないと食べられないこともある。給仕がいる料理店では、一品料理が250-300krくらいするので、アルコールを加えると6000円くらいになる。15%のサービス料が含まれているので、チップは不要。
町のレストランでは、1階がセルフ・サービスのカフェテリア、2階が本格的北欧料理店という形の店があるので、1階にすれば同じキッチンの料理が経済的に食べられる。
 どのホテルにも朝食用食堂はある。高級・1級ホテルには夕食を出す本格的レストランがあるのが常。都会の中級かそれ以下のホテルには、夕食用レストランがないことが多い。地方では、ホテルのレストランが村で唯一外食できる場所という場合が多く、エコノミー・ホテルでも夕食を出している。

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